最高裁判所の司法統計年報によれば、2025年の相続放棄の申述件数は32万4千件となり、過去最多を更新した。前年比では約5%の増加である。
統計の内容
📌 相続放棄件数の推移(司法統計年報)
- 2025年:32万4千件(過去最多)
- 2015年:18万9千件
- 10年間の増加率:約7割増
- 2025年の死亡者数:159万人(死亡者数の増加率を上回るペースで相続放棄が増加)
増加の背景
相続放棄は民法915条に基づき、相続開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要がある。増加の背景としては、被相続人の借金などの負債を理由とする放棄に加え、使用予定や処分の見込みが立たない土地・建物等、いわゆる「負動産」を相続人が引き取らずに済ませる目的の放棄が目立っていると指摘されている。
相続登記義務化との関係
2024年4月1日施行の相続登記義務化により、相続人は不動産の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請が義務付けられている。管理や処分の負担が大きい不動産を相続したくないと考える相続人にとって、相続放棄は登記義務を回避する選択肢の一つともなり得る。
まとめ
- 2025年の相続放棄件数は32万4千件で過去最多、前年比約5%増
- 2015年の18万9千件から10年間で約7割増加
- 死亡者数の増加ペースを上回って件数が増加している
- 負債だけでなく「負動産」を引き取らないための放棄が目立つと指摘されている
相続放棄は原則として相続開始を知った時から3か月以内という期限があり、一度受理されると撤回できない。負動産を含む相続財産の扱いにお悩みの場合は、期限内に行政書士等の専門家へご相談いただくことを推奨する。ご相談はさくら中央法務事務所(法務省認定申請取次行政書士)まで。