技能実習2号を修了した外国人は、一定の要件を満たせば在留資格「特定技能1号」に変更することができます。技能実習から特定技能への移行は、日本での就労継続を望む外国人にとって大きな選択肢ですが、手続きの流れ・必要書類・よくある失敗を把握しておかないと、申請が遅れたり不許可になったりするリスクがあります。本記事では、移行手続きの実務を行政書士が解説します。

技能実習2号修了者が特定技能1号に移行できる主な要件

移行の主な要件(全て満たすことが必要)

① 技能実習2号を良好に修了していること(修了証明書の取得)
② 技能実習2号と特定技能1号の対象職種が同一(または移行可能な組み合わせ)であること
③ 技能試験・日本語試験が免除されること(技能実習2号良好修了者は原則免除)
④ 受け入れ先(特定技能所属機関)が決定していること
⑤ 支援計画または登録支援機関への委託が整っていること

技能実習2号と特定技能1号の対象職種・分野の確認

技能実習2号を修了した職種がそのまま特定技能1号の対象分野に移行できるとは限りません。職種・作業と特定技能の業務区分が対応している必要があります。農業・漁業・飲食料品製造業・外食業・建設業・造船・舶用工業・自動車整備・航空・宿泊・介護・ビルクリーニング・素形材・産業機械製造業・電気電子情報関連産業・繊維・印刷・鉄鋼・非鉄金属・金属製品の各分野で対応関係が定められています。対応していない場合は技能試験の受験が必要になります。

技能実習から特定技能への変更申請の流れ

  • ① 受け入れ先の確保
    特定技能1号として働く企業(特定技能所属機関)を確定します。技能実習の実習実施者と同じ企業でも可能ですが、別の企業への転職も原則として可能です(技能実習中の転籍制限はなくなります)。
  • ② 雇用契約の締結
    特定技能雇用契約を締結します。給与は同等業務に従事する日本人と同等以上でなければなりません。
  • ③ 支援計画の策定または登録支援機関への委託
    特定技能1号は、所属機関が「支援計画」を策定し実施する義務があります。多くの場合、登録支援機関に委託します。
  • ④ 在留資格変更許可申請書の提出
    地方出入国在留管理局に申請書類を提出します(申請取次行政書士による代理申請も可能)。
  • ⑤ 審査・在留カード受領
    標準処理期間は1〜3か月程度。許可後に新しい在留カード(特定技能1号)を受け取ります。

変更申請に必要な主な書類

  • 在留資格変更許可申請書
  • パスポート・在留カード
  • 証明写真(4cm × 3cm)
  • 技能実習2号修了証明書
  • 特定技能雇用契約書
  • 支援計画書(または登録支援機関との委託契約書)
  • 特定技能所属機関の概要書(会社案内・登記事項証明書・決算書等)
  • 特定技能所属機関の誓約書
  • 住民税・社会保険関係書類(課税証明書・納税証明書等)
  • 技能試験・日本語試験の合格証明書(免除の場合は修了証明書で代替)

よくある失敗・注意点

  • 在留期限内に申請できない
    技能実習の在留期限が切れる前に変更申請を行う必要があります。申請が遅れると不法残留になります。修了が確定したら速やかに手続きを開始してください。
  • 職種・分野の対応確認を怠る
    技能実習2号の職種と特定技能の分野が対応していないと、試験免除が適用されず別途技能試験の受験が必要になります。対応表を事前に確認してください。
  • 支援計画の整備が不十分
    登録支援機関への委託なしに所属機関が支援計画を自ら実施する場合、計画書の内容が審査基準を満たしていないと指摘される場合があります。
  • 給与設定が日本人同等未満
    同等業務の日本人より低い給与での雇用契約は、不許可要因となります。

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