さくら法務ニュース › 在留資格

在留資格

「不法滞在者ゼロプラン」強化版を公表 ─ 不法就労助長罪の厳罰化・各業法への欠格事由追加を提案

出入国在留管理庁は2026年5月22日、「不法滞在者ゼロプラン 強力推進パッケージ」を公表しました。約6万8,000人(2026年1月末時点)にのぼる不法滞在者の解消に向け、摘発強化・サイバーパトロール・雇用主への厳しい対処の3本柱を打ち出しました。とりわけ外国人を雇用する企業にとって重大な影響をもたらすのが、不法就労助長罪の各業法への欠格事由追加提案と、6月14日から施行される罰則の大幅引き上げです。

「不法就労助長罪」を各業法の欠格事由に追加する提案

現在、不法就労助長罪は労働者派遣事業法・職業安定法(有料職業紹介事業)の欠格事由に定められていますが、その他の業種の許可・登録要件には組み込まれていません。

今回のパッケージでは、入管庁が建設業・食品製造業・宿泊業など幅広い業法の許可・登録要件(欠格事由)に不法就労助長罪を追加することを関係省庁に提案していく方針を明らかにしました。

欠格事由化の意味

不法就労助長罪で有罪となった場合、その業種の許可・登録が取り消され、または新規取得が拒否されることになります。

例えば建設業許可・食品衛生法上の営業許可・旅館業許可などが欠格事由に加わった場合、不法就労助長により有罪判決を受けた企業は事業継続が不可能になるリスクがあります。法改正には関係省庁の調整・国会審議が必要なため、施行時期は未定ですが、実現すれば極めて深刻な影響が生じます。

不法就労助長罪の罰則が6月14日から大幅引き上げ

2024年の改正入管法により、不法就労助長罪の罰則が強化されます。2026年6月14日の施行から新罰則が適用されます。

不法就労助長罪の罰則変更

▼ 改正前(〜2026年6月13日)
 3年以下の懲役 または 300万円以下の罰金

▼ 改正後(2026年6月14日〜)
 5年以下の拘禁刑 または 500万円以下の罰金(懲役・罰金の併科も可)

※ 故意がなくても「確認を怠った」過失があれば処罰対象になります

ゼロプランの3つの柱:企業への影響

①摘発の強化

警察・税務当局など関係機関と連携し、不法滞在者・不法就労者の摘発が強化されます。外国人労働者を雇用する事業所への立入調査が増加する可能性があります。

②SNSサイバーパトロールの実施

SNS・フリマアプリ上での偽造在留カードや就労仲介などの違法取引を監視するサイバーパトロールが新設されます。在留カードの真贋確認をより徹底する必要があります。

③雇用主への摘発強化

不法就労者を雇用した事業主への摘発が強化されます。「知らなかった」では免責されないため、採用時の在留資格確認・就労可否確認の徹底が不可欠です。

企業が今すぐ行うべき対応

  • 在留カードの真贋確認の徹底:ICチップ読み取り機能付き端末やスマートフォンアプリを活用して在留カードの偽造を確認する。
  • 就労可否・就労範囲の確認:在留資格の種類だけでなく、許可されている業務内容を在留カード・資格外活動許可書等で確認する。特に留学・家族滞在などは就労制限がある。
  • 定期的な在留期限の管理:雇用後も在留期間が更新されているか定期確認する。期限切れのまま雇用を継続すると助長罪に問われる可能性がある。
  • 記録の保存:採用時に確認した在留カードのコピー・確認記録を保存する。万一の調査時の証拠となる。

さくら中央法務事務所のサポート

外国人雇用に伴う在留資格確認体制の整備、在留カード確認フロー構築のご相談はさくら中央法務事務所にお気軽にお問い合わせください。特定技能・技人国・育成就労などの在留資格申請とあわせて、適切な雇用管理体制の整備をサポートいたします。

外国人雇用・在留資格管理のご相談はさくら中央法務事務所へ。初回相談無料です。

無料相談のご予約
← 記事一覧に戻る