2026年1月23日、政府は「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(分野別運用方針)」および「育成就労に係る制度の運用に関する方針(分野別運用方針)」を閣議決定しました。これにより、令和11年3月末(2029年3月末)までの外国人材の受け入れ上限が定められるとともに、物流倉庫・リネンサプライ・資源循環の3分野が新たに追加されました。2027年4月施行予定の育成就労制度に向けた体制整備が本格化しています。

受け入れ上限の全体像

令和11年3月末(2029年3月末)までの受け入れ上限(閣議決定)

▼ 特定技能(1号・2号)
 合計:80万5,700人

▼ 育成就労
 合計:42万6,200人

▼ 特定技能+育成就労 合計:123万1,900人

※ 上限はあくまで「上限値」であり、実際の受け入れ数が必ずこの数に達するわけではありません。
※ 分野ごとに受け入れ可能人数の目安が設定されています。

新設3分野の詳細

今回の分野別運用方針で、特定技能・育成就労の対象として新たに以下の3分野が追加されました。

  • 物流倉庫:EC拡大や物流需要増大を背景に、倉庫内の荷役・ピッキング・梱包等を担う人材の確保が課題となっていた分野。特定技能・育成就労の双方で受け入れが可能になります。
  • リネンサプライ:ホテル・病院・介護施設向けのリネン(シーツ・タオル等)の洗濯・加工・配送を行う分野。2026年4月改正の運用要領でも整備が進んでいます。
  • 資源循環:廃棄物処理・リサイクルに関わる分野。脱炭素社会の推進に向け、外国人材を活用した業界の担い手確保が狙いです。

育成就労制度との連携

育成就労制度は2027年4月1日の施行が予定されており、現行の技能実習制度(原則2030年頃廃止)の後継となります。制度の核心は「育成就労から特定技能1号への移行」にあります。

  • 育成就労(原則3年)で技能・日本語能力を身につけた外国人は、特定技能1号(最長5年)へ移行できます。
  • 特定技能2号への移行後は、在留期間の更新回数制限がなく、事実上の長期就労・永住への道が開かれています。
  • 分野別運用方針で育成就労の受け入れ上限(42万6,200人)が設定されたことで、企業は分野ごとの採用可能規模を把握した上での計画立案が求められます。

対象分野一覧(育成就労・特定技能)

現在の育成就労・特定技能の対象分野は次のとおりです(今回新設の3分野を含む)。

  • 介護 / ビルクリーニング / リネンサプライ(新設) / 工業製品製造業 / 建設 / 造船・舶用工業 / 自動車整備 / 宿泊 / 鉄道 / 物流倉庫(新設) / 農業 / 漁業 / 飲食料品製造業 / 外食業 / 林業 / 木材産業 / 資源循環(新設)

企業が今すぐ確認すべきポイント

  • 自社の分野が含まれるか確認:新設3分野(物流倉庫・リネンサプライ・資源循環)の企業は、特定技能・育成就労の受け入れが可能になりました。まず対象分野かどうかの確認が最優先です。
  • 受け入れ計画の早期策定:分野ごとに上限が設定されるため、早期に計画を立てることで採用機会の確保につながります。
  • 育成就労への移行準備:2027年4月施行に向け、現在技能実習生を受け入れている企業は育成就労制度への切り替え手順を把握しておく必要があります。

さくら中央法務事務所のサポート

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