技能実習制度に代わる新制度として創設された育成就労制度の施行まで、2026年6月現在で残り約10か月(2027年4月1日施行予定)となりました。育成就労法(正式名称:外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の廃止及び外国人育成就労機構の設立等に関する法律等の一部を改正する法律)は、技能実習制度のさまざまな問題点を踏まえて抜本的に見直されたものです。現在技能実習生を受け入れている企業は、今すぐ移行準備を開始することが求められます。

技能実習との主な相違点

育成就労制度と技能実習制度の主な違い

① 目的の変更:「技能移転(国際貢献)」→「人材育成と人材確保」へ
② 転籍・転職の自由化:一定の条件を満たせば、本人意向による転籍・転職が可能に(技能実習では原則不可)
③ 日本語能力要件の新設:入国時A1・修了時A2以上(職種によりB1以上)の日本語能力が義務付け
④ 主務大臣・管理機関の権限強化:不正受け入れへの監督・罰則が強化
⑤ 育成就労機構の新設:現行の外国人技能実習機構を改組した新機関が監督

企業が今すぐ取り組むべき10の準備項目

  • ① 受け入れ分野の確認:現行技能実習の職種が育成就労の特定産業分野に対応しているか確認する。
  • ② 監理団体の確認・変更:許可を取得した監理支援機関(育成就労版の監理団体)と契約する必要がある。現在の監理団体が許可取得見込みかを確認する。
  • ③ 雇用契約の見直し:技能実習計画に基づく雇用から、育成就労計画に基づく雇用へ移行。労働条件の明示義務が強化されている。
  • ④ 賃金水準の確認:同等日本人労働者と同等以上の賃金が求められる。最低賃金との乖離がある場合は早急に見直す。
  • ⑤ 住居・生活支援体制の整備:育成就労でも適切な住居確保・生活相談対応が義務付けられる。
  • ⑥ 日本語教育支援の準備:日本語能力要件(A1→A2)をクリアするための教育機会を用意する。
  • ⑦ ハラスメント防止・相談窓口の整備:技能実習時代の問題を踏まえ、相談しやすい環境作りが求められる。
  • ⑧ 転籍ルールの把握:本人意向の転籍が可能になるため、人材確保計画を見直す。
  • ⑨ 在留資格変更の流れを把握:育成就労修了後に特定技能1号へ移行するルートを理解しておく。
  • ⑩ 行政書士・専門家への早期相談:制度変更に対応した申請手続きは複雑なため、早めに専門家に相談する。

既存の技能実習生の扱い

育成就労法の施行時(2027年4月1日)点で既に技能実習計画の認定を受けている技能実習生については、原則として経過措置が設けられる予定です。ただし、詳細な経過措置の内容は施行規則・通達で明確化される見込みであり、最新情報を常に確認することが重要です。

さくら中央法務事務所のサポート

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