令和6年(2024年)に改正された入管法により、永住者の在留管理の適正化が図られました。令和6年6月10日に施行されたこの改正では、永住者が一定の義務(住民税・国民年金などの公的義務)を履行しない場合に、永住許可を取り消すことができる新制度が導入されました。施行から2年が経過した2026年6月現在、法務省は制度の運用を本格化させており、永住者・雇用主ともに改めて注意が必要です。

取り消し事由となる主な義務違反

永住許可取り消しの対象となり得る主な行為(改正入管法)

① 住民税・国民健康保険料・国民年金保険料等の正当な理由なき未納

② 出入国または在留に関する虚偽申請

③ 永住者として定められた在留活動義務の不履行(正当な在留活動の実態がないなど)

再入国許可なしの出国後、所定期間内に帰国しない場合

※ 取り消しは直ちに行われるわけではなく、出入国在留管理庁から通知・意見陳述の機会が与えられます。

特に注意が必要な「公的義務の未納」

実務上、最も身近な取り消し事由として注目されているのが住民税・国民年金保険料の未納です。

  • 住民税:市区町村から毎年課税される。給与所得者は特別徴収(天引き)が原則だが、転職・退職時などに普通徴収(自分で納付)に切り替わるケースで滞納が発生しやすい。
  • 国民年金:会社員・公務員は厚生年金に加入するが、無職・フリーランスの期間は国民年金への加入・納付義務が生じる。転職の空白期間に未加入・未納となっているケースが問題になりやすい。
  • 「払えない」ではなく「払い忘れていた」「手続きを知らなかった」という場合も、正当な理由なしと判断される可能性がある。

永住者が今すぐ確認すべき事項

  • 住民税の納付状況を確認する:市区町村から届く納税通知書・領収書を保管しておく。滞納がある場合は分割納付等の相談を早急に行う。
  • 年金の加入・納付状況を確認する:日本年金機構の「ねんきんネット」で確認可能。未納期間がある場合は追納手続きを検討する。
  • 正当な在留活動の実態を維持する:長期間の無就労・無活動が取り消し理由となる可能性がある。

雇用主・企業が注意すべき点

  • 従業員が永住者である場合、給与から住民税・社会保険料を適切に控除・納付しているかを確認する。
  • 退職・転職時の住民税の切り替え手続き(特別徴収→普通徴収)を従業員に丁寧に案内する。
  • 雇用保険・社会保険の手続きを漏れなく行い、外国人従業員が不利益を受けないよう配慮する。

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