近年、在留資格「経営・管理」の更新申請において不許可件数が顕著に増加しています。出入国在留管理庁(入管)は、事業の実体・収益性・法令遵守状況について書類審査を大幅に厳格化しており、以前は問題なく更新できていたケースでも不許可となる事例が相次いでいます。なかでも近年際立って増えているのが、法人代表者が国民健康保険・国民年金に加入していることを理由とした不許可です。本記事では、その背景・問題点・その他の審査ポイント・対策を解説します。
⚠ 緊急警告:法人役員が「国保・国民年金」加入だと更新不許可になるケースが急増
法人(株式会社・合同会社等)を設立して代表取締役・代表社員として在留資格「経営・管理」を取得している場合、その法人は社会保険(健康保険・厚生年金保険)への加入が法律上義務付けられています(健康保険法・厚生年金保険法)。役員報酬を受け取っている法人代表者は、原則として健康保険・厚生年金保険の被保険者となります。
ところが、「設立が面倒」「保険料が高い」などの理由で社会保険の加入手続きをせず、個人として国民健康保険と国民年金に加入している法人代表者が少なくありません。
入管はこの状態を「法令を遵守して事業を適正に営んでいない」「法人の実体に疑義がある」とみなし、在留資格の更新・変更を不許可とするケースが激増しています。
社会保険未加入が不許可につながる理由
- 在留資格「経営・管理」の許可要件に「法令遵守」が含まれる:入管は、申請者および法人が日本の法律を遵守して事業を運営しているかを審査します。社会保険未加入は健康保険法・厚生年金保険法への違反状態であり、法令遵守義務を満たしていないと判断されます。
- 法人の実体・健全性への疑念:法人としての体裁を整えながら社会保険に未加入であることは、「実際に法人として適切に経営されているか」という疑問につながります。
- 役員報酬の実態と整合しないケースも:役員報酬を設定しているにもかかわらず社会保険未加入の場合、報酬額の実態についても疑義が生じることがあります。
社会保険加入状況の確認と対応
- 今すぐ確認が必要:ご自身の法人が社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入しているかを確認してください。年金事務所から「加入勧奨通知」が届いている場合は要注意です。
- 未加入の場合は直ちに手続きを:管轄の年金事務所に「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」を提出し、社会保険の加入手続きを行ってください。
- 遡及保険料への注意:社会保険未加入が判明した場合、過去最大2年分の保険料を遡って徴収されることがあります。加入の見通しを立てて専門家に相談することをお勧めします。
- 在留更新申請前に必ず加入を完了させる:更新申請時には社会保険の加入証明書(健康保険被保険者証・年金事務所受付印入りの適用通知等)の提出が求められます。
経営・管理ビザ更新審査で求められるその他の書類・ポイント
社会保険の問題以外にも、近年の厳格化により以下の点についても厳しく審査されています。いずれも書類の精度と申請の丁寧さが許可・不許可を大きく左右します。
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事業の実績・収益性
直近年度の決算書(貸借対照表・損益計算書)、確定申告書(法人税申告書)が必須です。赤字・売上極少・ほぼ休眠状態の法人は「事業を継続して安定的に行っている」とは認められず、不許可になるリスクが高まります。赤字の場合は「赤字になった理由・今後の黒字化見通し」を丁寧に説明する理由書が不可欠です。 -
事務所の実体
賃貸借契約書・写真等で事務所の実在を証明します。バーチャルオフィスや自宅住所のみの場合は実体審査が厳しくなります。物理的な執務スペースがあることを写真・契約書類等で具体的に示すことが重要です。 -
役員報酬の設定と支払い実績
役員報酬は、日本で「安定した生活を営める水準」(目安として月額20万円以上)が求められます。また、設定した報酬が実際に支払われているか(通帳の入出金記録・給与明細等)の確認を求められます。 -
税務申告の適正な実施
法人税・消費税の確定申告が適正に行われていることが前提です。未申告・滞納がある場合は大幅な不許可リスクとなります。 -
従業員を雇用している場合の労働関係法令遵守
従業員の雇用保険・労災保険加入、労働条件の適正な書面化(雇用契約書)等が審査されます。 -
申請書類の整合性と理由書の品質
申請書各欄の記載内容・添付書類・理由書の内容が互いに矛盾なく整合していることが重要です。記載ミス・書類の欠落・理由書の説明不足が不許可の引き金になるケースが多く見られます。
「自分で申請した」「前回と同じ書類を出した」は危険
入管の審査水準は年々引き上げられています。数年前に問題なく更新できたからといって、今回も同じ書類・同じ内容で通るとは限りません。とくに以下に当てはまる方は、専門家(行政書士)への相談・依頼を強くお勧めします。
- 社会保険(健康保険・厚生年金)未加入の法人を経営している
- 直近の決算が赤字または売上が著しく少ない
- 事務所がバーチャルオフィス・自宅住所のみ
- 役員報酬が低い、または支払い記録が不明確
- 税務申告に不備・滞納がある
- 前回の更新申請から事業内容・役員・住所等が変わっている
- 理由書・事業計画書を自分で書いたことがない
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さくら中央法務事務所では、在留資格「経営・管理」の新規申請・更新申請・変更申請を、入管申請取次行政書士が対応します。社会保険の加入状況確認から、決算書・理由書・事業計画書の精査・作成まで、書類の質と整合性を徹底して高め、許可取得の可能性を最大化するサポートを提供しています。
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