「経営・管理」の在留資格(経営管理ビザ)の認定申請において、大阪出入国在留管理局(大阪入管)の審査が極めて厳しく推移しており、旧基準(資本金500万円)での新規認定申請はほぼ全件不許可となっていることが、当事務所の取り扱い案件および行政書士同士の情報共有から明らかになっています。本記事では、大阪入管における経営管理ビザの審査実態と、申請者・相談者が知っておくべき現状をお伝えします。

大阪入管の経営管理ビザ申請件数が全国1位だった背景

2025年10月15日は、入管当局が経営管理の在留資格に関して新たな審査基準・運用方針を適用する事実上の転換点となった時期です。この期限を前に、旧基準のままでの認定申請を急ぐ動きが全国の行政書士・弁護士の間で広がりました。

その結果として浮かび上がったのが、驚くべき事実です。大阪入管への経営管理ビザの新規認定申請件数が、東京入管(東京出入国在留管理局)を上回り、全国1位となったのです。大阪は東京と比べて外国人人口・企業数ともに少ないにもかかわらず、なぜ申請件数が東京を超えたのか。背景には、インバウンド需要の拡大や大阪・関西地域への外国人起業家の集中、そして「大阪なら通りやすいのではないか」という誤った期待があったと見られています。

旧基準(資本金500万円)での申請 ─ 大阪入管での許可率はほぼゼロ

⚠ 大阪入管の審査実態(2025年10月以降)

資本金500万円の旧基準のみを満たして申請した経営管理ビザの新規認定申請は、大阪入管においてほぼ全件不許可となっています。当事務所が把握している限り、許可率は事実上ゼロに近い水準です。

これは、「資本金500万円以上」という従来の要件を満たしてさえいれば許可されていた時代とは、全く異なる審査実態です。同じ要件を満たしているにもかかわらず不許可となるため、申請者・依頼者は大きな困惑・損害を受けています。

不許可理由の「使い回し」─「安定的・継続的な経営を見込めない」

さらに深刻な問題として、不許可理由の定型文化(使い回し)があります。大阪入管が下した不許可通知のほぼすべてに、次の理由が付されています。

大阪入管の不許可理由(定型文) 「安定的・継続的な経営を見込めない」

この理由は、事業内容・業種・事業規模・申請者の経歴を問わず、ほぼすべての不許可案件に一律に使われています。飲食業であっても、貿易業であっても、IT業であっても、不許可理由は同じ文言です。

本来、不許可理由は個別の案件に応じた具体的なものでなければなりません。「安定的・継続的な経営を見込めない」とするならば、なぜその事業・その申請者において見込めないのかの具体的根拠が示されるべきです。しかし実際には、事業計画の内容・数字・申請者の経歴・資本金の出所等にかかわらず、同一の文言が用いられており、実質的な審査内容が個別の案件に即しているとは言い難い状況です。

申請者・依頼者への実務上の影響

この状況は、申請者に次のような深刻な影響をもたらしています。

  • 会社設立・資本金準備に費やしたコストが無駄になる
    法人設立費用・事務所の賃貸費用・資本金500万円の準備(一部は借入も含む)を行った後に不許可となるため、経済的損害が生じます。
  • 在留資格が取得できずに日本での事業開始が遅延・断念
    不許可後は再申請を検討せざるを得ませんが、再申請においても同様の基準で審査されるため、打開策を見つけることが容易ではありません。
  • 不許可理由が具体的でないため、再申請方針の立案が困難
    「安定的・継続的な経営を見込めない」という定型文のみでは、何をどのように改善すれば許可されるのかが不明であり、再申請書類の方針を立てるのが非常に難しい状況です。
  • 入管への異議申立て・情報公開請求の増加
    不許可理由の不透明さに疑問を持つ申請者・代理人から、情報公開請求(行政文書の開示請求)や審査基準の明確化を求める声が高まっています。

大阪入管の審査における現在の実務上の対応方針

このような状況を踏まえ、当事務所では経営管理ビザの大阪入管への新規認定申請について、以下の方針で対応しています。

  • 新基準であっても、資本金3,000万円のみに依拠した申請は推奨しない
    新基準の枠組みのみで申請した場合の許可見込みが著しく低い現状を率直にご説明し、申請の是非を慎重に検討していただきます。
  • 事業の実態・取引先・収益の蓋然性を徹底的に書類化する
    「安定的・継続的な経営」を具体的数字・証拠で示す事業計画書・証拠書類の充実が不可欠です。売上根拠となる取引先との契約書・発注書・見積書等、事業の実在性を示す書類を可能な限り準備します。
  • 申請地の選択・管轄外申請の検討
    現状、大阪入管の審査が特に厳しい状況にあることを踏まえ、申請管轄の検討(本店所在地・事業所所在地の設定)についても、法令の範囲内で検討します。
  • 不許可後の方針立案サポート
    すでに不許可となった方については、不許可理由の分析・情報公開請求の活用・再申請書類の抜本的見直しをサポートします。

経営管理ビザをお考えの方へ ─ まずはご相談を

大阪入管の経営管理ビザ審査は、現在、非常に厳しい局面にあります。「資本金を3,000万円用意すれば大丈夫」という従来の認識は通用せず、事業の実態・収益性・継続可能性を多角的に立証する書類の準備が不可欠です。さくら中央法務事務所では、現在の大阪入管の審査傾向を踏まえた申請戦略の立案・書類作成・申請取次を行います。すでに不許可となった方の再申請サポートも承っています。初回相談無料。まずはお気軽にご連絡ください。

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