【訂正と更新(2026年10月12日)】

2026年7月21日に掲載した本記事には、出入国在留管理庁の公式資料と異なる記載がありました。①改定前の手数料は、変更・更新が6,000円(窓口)・5,500円(オンライン)、永住許可が1万円です(旧記載:4,000円・8,000円)。②新手数料は、報道ベースの「予定額」ではなく、許可される在留期間ごとの確定額です(5年以上の更新は窓口7万5,000円。旧記載:約7万円)。③施行日は「公布から3か月以内」ではなく、令和8年10月1日です(旧記載の「最遅でも2026年9月5日」は誤りです)。④米国の永住権申請費用との比較(約11万円)は一次資料で確認できなかったため削除しました。以下は、入管庁の公表資料(令和8年8月28日掲載)に基づく内容に改めています。

改正入管法(出入国管理及び難民認定法及び出入国管理及び難民認定法第二条第五号ロの旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律の一部を改正する法律)が2026年5月29日に参議院で可決・成立し、同年6月5日に公布されました(令和8年法律第32号)。在留資格の更新・変更・永住許可申請に係る手数料の法定上限が大幅に引き上げられ、2026年10月1日から新しい手数料が適用されています。

改定前の手数料は、在留資格の変更許可・在留期間の更新許可が6,000円(窓口)/5,500円(オンライン)、永住許可が1万円でした。新制度では、変更・更新は許可される在留期間に応じた段階制となり、永住許可は20万円になりました。外国人を雇用する企業・事業主にとって無視できない変更です。

改正のポイント ─ 法定上限が最大30倍に

改正法では、政令(施行令)で定める個別の手数料額の法定上限を以下のとおり変更しました。

申請の種類 現行の法定上限 改正後の法定上限
在留資格の変更許可 1万円 10万円(10倍)
在留期間の更新許可 1万円 10万円(10倍)
永住許可 1万円 30万円(30倍)

確定した手数料額(令和8年10月1日から)

実際に徴収される手数料は政令(出入国管理及び難民認定法施行令)で定められています。入管庁の公表資料による確定額は以下のとおりです。

許可される在留期間 窓口(収入印紙) オンライン
3月以下 10,000円 10,000円
3月超6月以下 18,000円 15,000円
6月超1年未満 25,000円 21,000円
1年 33,000円 27,000円
1年超3年未満 48,000円 42,000円
3年以上5年未満 64,000円 56,000円
5年以上 75,000円 65,000円
許可の種類 改定前 改定後(令和8年10月1日から)
永住許可(窓口のみ) 1万円 20万円(20倍)
納付方法・減額免除

窓口で受け付けた申請は収入印紙で納付します(許可される在留期間に応じた額面が必要)。オンライン申請はコンビニ決済または銀行決済となり、収入印紙は使えず、別途決済手数料がかかります。経済的困難その他特別の理由がある場合の手数料の減額・免除の仕組みも設けられました(詳細は入管庁の案内ページを参照)。

施行日と経過措置 ─ 令和8年10月1日から

改正法の手数料に関する規定は「令和9年3月31日までの間において政令で定める日」に施行すると定められ、政令(改正入管法施行令)により令和8年10月1日から手数料の改定が施行されました。2026年9月30日までに受け付けた申請は、許可が10月1日以降になっても改定前の手数料です。10月1日以降に申請した場合は、改定後の手数料が適用されます。

外国人雇用企業への影響と対応

在留資格の申請手数料は、外国人本人が納付するか雇用主が立て替えるかを当事者間で決めることができます。改定後の金額を踏まえ、以下の点を社内で検討・整理することをお勧めします。

① 費用負担方針の明確化

「6,000円程度だから会社が立て替える」という運用をしている企業も多いですが、5年以上の更新は窓口で7万5,000円(オンライン6万5,000円)になりました。就業規則・雇用契約書への規定盛り込みをお勧めします。

② 更新申請タイミングの検討

在留期間更新許可申請は在留期限の3か月前から受け付けています。2026年9月30日までに受け付けられた申請には改定前の手数料(6,000円・5,500円)が適用されましたが、10月1日以降の申請は、許可される在留期間ごとの改定後の金額です。申請が早すぎると許可後の在留期間が短縮されるリスクもあるため、在留期限と申請可能時期を一覧で管理することが重要です。

③ 永住許可申請の手数料

永住許可の手数料は1万円から20万円になりました。2026年9月30日までに受け付けた申請は改定前の1万円でした。申請要件(通算在留年数等)を満たす外国人がいる場合は、改定後の手数料を前提に、要件確認と準備を進める必要があります。

実務ポイント:「技術・人文知識・国際業務」5年更新の場合

2026年10月以降に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格(5年)の更新申請が必要になる外国人社員がいる場合、会社または本人が窓口で7万5,000円(オンライン6万5,000円)の手数料を準備する必要があります(改定前は窓口6,000円。窓口同士の比較で12.5倍)。採用コストとして事前に予算に組み込むことが重要です。

改正の背景 ─ 在留外国人数の増加と負担の見直し

入管庁の改正法概要によれば、令和7年末の在留外国人数は過去最高の約413万人(出入国在留管理庁の統計では412万5,395人)に達し、入管法上の手数料の上限額は1万円のままでした。そこで、在留外国人にも相応の負担を求めるため上限額を引き上げ、手数料の額を定める際は、実費のほか、外国人の出入国及び在留の公正な管理に要する費用や諸外国における同種の手数料の額を勘案することとされました。

また、査証(ビザ)手数料も2026年7月1日から引き上げられ(外務省:一次査証3,000円→約15,000円、数次査証6,000円→約30,000円。令和8年7月1日以降に在外公館で申請が受理された場合の邦貨換算額で、渡航目的・国籍により不要または金額が異なる場合があります)、在留資格に関わるコスト全体が大幅に引き上げられる局面にあります。

まとめ

  • 改正入管法が2026年5月29日成立・6月5日公布(令和8年法律第32号)、手数料の改定は令和8年10月1日から
  • 手数料の法定上限は、変更・更新が1万円→10万円、永住許可が1万円→30万円
  • 確定額:変更・更新は在留期間に応じて1万円〜7万5,000円(窓口)、永住許可は20万円(改定前は変更・更新6,000円(窓口)、永住1万円)
  • 2026年9月30日までに受け付けた申請は、許可が10月1日以降でも改定前の手数料
  • 企業は費用負担方針の見直し・更新時期の管理・永住申請の準備を進めること

情報源

⚖️ 行政書士からの専門家コメント

📋 実務上の影響

今回の手数料改定は、在留外国人(令和7年末で約413万人)のうち、在留資格の更新・変更・永住許可を申請する方すべてに関わります。特に「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」「技能実習(育成就労)」で働く外国人を多数雇用している企業では、年間の採用・在留管理コストが大幅に増加します。複数の外国人を雇用している場合は、来年の予算に影響コストを今から組み込んでおく必要があります。

⚠️ 注意すべき落とし穴

「改定前に急ごう」という判断は在留期限まで十分余裕がある場合に有効でしたが、申請が早すぎると許可後の在留期間が短縮されるリスクがあります(3か月前以降の申請が標準)。永住許可の申請要件(通算在留年数・素行善良・生計安定等)の確認なしに急いで申請すると、審査長期化・不許可になるケースもあります。焦らず専門家に相談することをお勧めします。

✅ 今すべきアクション

①在籍する外国人社員の在留期限を一覧化し、更新時期ごとに改定後の手数料を見積もる。②永住申請の要件を満たす社員がいれば、改定後の手数料(20万円)を前提に準備を進める。③就業規則・採用コスト計画に今回の値上げを反映させる。