出入国在留管理庁は2026年8月4日、「永住者の在留資格の取消しに関するガイドライン(案)」を公表した。令和6年(2024年)入管法改正により追加された永住者の在留資格取消事由について、解釈及び運用指針を明確化し、想定される具体的事例を例示するものである。
ガイドライン案の目的
- 令和6年入管法改正で、永住許可申請時の虚偽記載に限られていた取消事由に3類型を追加
- 外国人等の予見可能性、入管の処分の公平性、国・自治体による適切な通報の確保を目的として、法の解釈・運用指針を明確化
- 改正法の附帯決議で「ガイドラインの策定・周知」が求められていたことを受けた対応
追加された3つの取消事由
📌 取消事由の類型
- ①故意に公租公課(租税及び租税以外の公的負担金全般。所得税・住民税・法人税・公的医療保険料・年金保険料等)の支払をしないこと
- ②入管法上の義務違反(退去強制事由に該当する場合を除く)
- ③特定の刑罰法令違反(窃盗・詐欺・恐喝・殺人・危険運転致死傷等の罪により拘禁刑に処せられた場合。刑の執行猶予を含む)
取消しと判断される具体的事例
- 公租公課の不払い:催告・滞納処分を行ってもなお納付する意思がない場合、脱税等による有罪判決・財産隠蔽等の徴収を妨げる不正な行為があった場合。ただし病気・災害・失業等やむを得ない事情がある場合、分納や猶予措置に応じている場合は該当しない
- 入管法上の義務違反:在留カードの有効期間の不更新・不携帯・提示拒否、在留カードの偽変造・他人名義の行使・提供・収受等
- 刑罰法令違反:前科(施行前を含む)があり、さらに上記の罪により拘禁刑に処せられた場合
取消し以外の措置と通報の考え方
取消しに至らない場合でも、「定住者」等の在留資格へ職権で変更し、その後の在留期間更新手続等の中で在留状況を確認する運用が示されている。国・自治体による入管への通報は義務ではなく、各取消事由に該当すると思料する場合に必要かつ可能な範囲の情報を提供するものとされる。通報を端緒として入管が事実の調査・意見聴取等を行い、法務大臣が取消しの要否を決定する。
まとめ
- 出入国在留管理庁が2026年8月4日、永住者の在留資格取消しガイドライン案を公表
- 令和6年入管法改正で追加された3つの取消事由(公租公課不払い・入管法義務違反・特定刑罰法令違反)の解釈指針を明確化
- 取消しに至らない場合は「定住者」等への職権変更で在留状況を継続確認
- 国・自治体からの通報を端緒に、入管の調査を経て法務大臣が取消しの要否を決定
永住者であっても、公租公課の納付状況や在留カードの適正な管理等、日常的な法令遵守が在留資格の維持に直結する。ご自身の状況にご不安がある場合は、専門知識を備えた行政書士へのご相談を推奨する。ご相談はさくら中央法務事務所(法務省認定申請取次行政書士)まで。