出入国在留管理庁は2026年8月31日、2026年5月22日公表の「不法滞在者ゼロプラン~強力推進パッケージ~」について、策定経緯と各施策の補足説明を加えた解説資料を掲載した。三谷英弘法務副大臣名で取りまとめられている。

不法残留者数の現状

📌 令和8年1月1日時点の統計
  • 不法残留者数:68,488人(令和7年1月1日時点の74,863人から6,375人減少)
  • 国籍・地域別:ベトナムが11,601人で最多、次いでタイ10,907人、韓国10,020人
  • 在留資格別:「短期滞在」が41,607人で最多、次いで「技能実習」9,323人、「特定活動」7,306人
  • 令和7年1月1日以降に新たに判明した不法残留者数:9,748人(国籍別ではベトナムが2,692人で最多)

強力推進パッケージの背景

出入国在留管理庁は2025年5月23日、「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」を公表していた。その後、2025年11月4日の関係閣僚会議における内閣総理大臣指示等を踏まえ、不法残留者数の増減要因を分析した上で重点施策を取りまとめ、2026年5月22日に「強力推進パッケージ」として公表した。

3段階・8施策の内容

パッケージは「入国管理」「在留管理・難民審査」「出国・送還」の3段階に分け、以下8つの施策を掲げている。

  • (1) 電子渡航認証制度(JESTA)の早期導入 ─ 2028年度中の導入を目指し、2026年4月から設計・開発作業を開始
  • (2) 退去強制が確定した外国人が多い国に対する働き掛け
  • (3) 難民認定申請の審査の迅速化 ─ 2026年中に新規受理した申請の6か月以内(平均)処理を目指す
  • (4) 出入国在留管理のDX ─ 2026年4月にDX推進体制を整備
  • (5) 護送官付き国費送還の促進 ─ 2024年実績249人から2027年までに倍増(約500人)を目指す
  • (6) 改正入管法の新制度を活用した自発的な帰国の促進
  • (7) 被仮放免者の不法就労防止
  • (8) 摘発の強化(新規施策)─ 合同・入管単独摘発の強化、サイバーパトロールの実施

新規施策「摘発の強化」

(8)の「摘発の強化」は、不法滞在者ゼロを目指す上で摘発強化が重要と位置付けられ、今回新たに重点施策として追加された。関係機関との合同摘発や入管単独摘発の体制増強に加え、サイバーパトロールで得た情報を不法就労助長者の摘発につなげる取組を検討するとしている。

まとめ

  • 出入国在留管理庁が2026年8月31日、強力推進パッケージの解説資料を公表
  • 令和8年1月1日時点の不法残留者数は68,488人、前年から6,375人減少
  • 3段階・8施策のうち「摘発の強化」を新規施策として追加
  • JESTAは2028年度導入目指し2026年4月から開発着手、護送官付き国費送還は2027年までに倍増目標

不法滞在対策の強化は、外国人を雇用する企業や登録支援機関の実務にも影響し得る。外国人雇用状況届出の適正化や在留資格の確認体制について、ご不安がある場合は行政書士へのご相談を推奨する。ご相談はさくら中央法務事務所(法務省認定申請取次行政書士)まで。