2027年4月1日に施行される育成就労制度まで半年となった。新制度では受入企業に外国人材の日本語力・職業能力の育成が義務として明文化されるが、その担い手となる「就労」課程の認定日本語教育機関は、2026年6月時点で全国にわずか3校、いずれも東京都内に所在するにとどまっている。

義務化される日本語講習の内容

📌 二段階の日本語目標
  • 入口(A1相当):育成就労計画の認定申請時点でA1相当の日本語試験に合格していない場合、入国後講習の日本語科目で「A1相当講習」を100時間以上受講することが必須
  • 出口(A2相当):育成期間(3年間)のうちに「A2相当目標講習」を100時間以上受講できるよう、受入企業が必要な措置を講じる義務を負う
  • 入国後講習は、試験未合格時は最大320時間、合格済みの場合は220時間(入国前講習の実施により短縮可能)
  • eラーニング単独では要件を満たせず、登録日本語教員による「ライブ授業」が必要

就労課程認定校は全国3校、いずれも東京

文部科学省の認定を受けた「就労」のための課程を持つ日本語教育機関は、2026年6月時点で以下の3校にとどまる。

  • AOTS日本語教育センター(東京都足立区千住東1-30-1、定員158人、2025年10月31日認定)
  • 公益社団法人国際日本語普及協会(東京都港区虎ノ門3-25-2虎ノ門ESビル、定員40人、2025年3月31日認定)
  • JICE日本語教育・就労支援センター(東京都新宿区西新宿2-7-1新宿第一生命ビルディング16階、定員415人、2025年3月31日認定)

このうち、2026年6月時点で講習を即応提供できるのは国際日本語普及協会(AJALT)の実質1校のみで、残る2校(JICE・AOTS)は「提供する方向で検討」している段階にとどまっている。文部科学省の認定日本語教育機関は令和8年4月時点で累計96機関に増加しているが、令和7年度2回目の認定32機関はすべて留学のための課程であり、就労課程の新規認定はゼロであった。

日本語教師の人材構成

文部科学省「日本語教育実態調査」(令和5年度)によれば、日本語教師等の職務別構成は、ボランティアによる者が50.3%、非常勤による者が34.1%、常勤による者はわずか15.6%にとどまる。登録日本語教員の総数は2026年7月時点で約1万9千人である。ボランティアの比率はここ10年程度、5割から6割で推移しており、常勤講師への依存度が高い「就労」課程の講習体制を支える人材基盤は限定的な状況にある。

費用負担の仕組み

監理支援機関は、入国後講習に要した施設使用料、講師・通訳への謝金、教材費等の実費を「講習費」として受入企業から徴収することができる。ただし、この費用を技能実習生・育成就労外国人本人に直接的にも間接的にも負担させることは禁じられている。

まとめ

  • 育成就労制度の施行(2027年4月1日)まで半年、日本語教育の担い手確保が課題として浮上
  • 入国後講習で「A1相当講習」100時間以上、育成期間中に「A2相当目標講習」100時間以上の受講が必須
  • 就労課程の認定日本語教育機関は全国3校(すべて東京)、即応可能なのは実質1校のみ
  • 日本語教師の常勤率は15.6%にとどまり、ボランティアが過半数を占める

育成就労計画の認定申請を控える受入企業・監理団体は、所属予定の技能実習生・育成就労外国人の日本語講習をどの認定日本語教育機関に委託できるか、早期に確認しておく必要がある。制度の詳細や監理支援機関への移行手続についてご不明な点があれば、さくら中央法務事務所(法務省認定申請取次行政書士)にご相談ください。